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6.35%はどこを数えた数字か——利回りの分母を確かめる

同じ163件・74件・232件が、分母を変えると別の顔になる

📅 公開: 2026年8月28日 ✍️ 著者: 森ノブ ⏱ 読了: 約6分
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森ノブ
この記事を書いた人:森ノブ 30代会社員 / つみたて投資歴5年 / 米国株インデックス派。最近はAIを相棒にFXの勉強を始めた等身大の一般人です。

利回りの数字を見たら、いくつだったかより先に、どこを数えた数字かを見る。これだけで読み方がだいぶ変わります。

ちょうどいい教材が公開されていました。クラウドバンクの運用実績ページです。同じ実数が、分母の置き方で2%にも35%にも見える。しかも両方を公式が自分で並べて出しているので、読み手はその場で確かめられます。

%が並ぶページを読むとき、私はまず用語の定義をAIに崩してもらいます。「実績平均利回り」と「想定利回り」と「表面利回り」は別物なので、そこを混ぜたまま比べると意味がありません。聞き方の例:「クラウドファンディングで使われる利回りの用語を、計算に何が入って何が入らないかの違いで説明して。特定のサービスの比較はせず、用語の定義だけ」

「実績平均利回り6.35%」の注記を、丸ごと読む

2026年8月28日現在として公表されている数字は6.35%です。運営は日本クラウド証券株式会社で、第一種・第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第115号。その6.35%には、こういう注記がついています。

「※ 2026年3月末までの1年間に運用終了した税引前のファンド実績値。なお、2026年3月末までの3年間に運用終了したファンドの税引前実績平均利回りは6.04%となっております。将来の運用成果を保証するものではなく、運用中のファンドや償還が遅延しているファンドは含まれておりません。」

ここに数え方が全部書いてありました。期間は1年間、税引前、そして運用中と償還遅延中は含まない。同じページの数字でも3年間で数え直せば6.04%です。ちなみに公式には「利回りや元本が保証されているものではありません。」「※ 融資先からの利息の支払いや元本の返済が遅延した場合または行われなかった場合、お客様への分配・償還も遅延または行われない可能性があります。」「※ 信託保全は、出資元本の返還を保証するものではありません。」という記載も並んでいます。

AIの答えた数字が、公式と違っていた日

私がこの読み方を身につけたのは、失敗したからです。制度の数字をAIに聞いて、返ってきた答えをそのまま下書きに書いた。念のため公式ページに当てたら、値が違いました。文章はもっともらしくて、日本語としてどこにも破綻がない。だから気づけたのは、突き合わせたからでしかありません。背筋が冷えました。あの日から、数字が出てきたら誰が何を数えたのかまで確かめないと落ち着かなくなった。妻には心配性だと言われますが、5年つみたてを続けて身についた習慣のうち、役に立っているのはたぶんこれだけです。
数字の確認をAIに任せない代わりに、注記の解読は手伝ってもらいます。「この注記は何を分母にしているか」を聞くと、読み落としていた条件が出てくることがあるので。聞き方の例:「この利回りの注記を読んで、集計の対象期間・税の扱い・除外されているものを箇条書きにして。数値の妥当性は判定せず、書かれている条件の整理だけ」そのうえで、数字そのものは公式ページに戻って自分の目で確認します。

償還が済んだファンドの損益にも、マイナスの帯はある

同じページの下には、償還済みファンドの損益実績が帯ごとに出ています。プラス4〜7%が4,437件、プラス7〜10%が2,337件と中央は厚い。いっぽうでマイナス10〜0%が95件、マイナス20〜マイナス10%が11件、マイナス30〜マイナス20%が4件と、マイナスの帯にも数字が入っています。公式は「※ファンド損益には為替差損益を含みます。」と添えていました。

私はここを見て、平均という言葉の性質を思い出しました。平均は分布を1つの数にたたむ道具です。たたんだ先に何があったかは、帯を見ないと分かりません。

同じ163件・74件・232件が、分母を変えると別の顔になる

運用実績ページには、円グラフが2つ並んでいます。1つ目は全ファンドが分母、2つ目は運用中のファンドが分母。163・74・232という実数は、どちらにも同じ数字が使われています。

区分ファンド数全ファンドの運用状況(公式表示)
償還済み7,64194%
正常運用中1632%
分配遅延中741%
償還遅延中2323%
元本棄損00%
区分ファンド数運用中ファンドの状況(公式表示)
正常運用中16335%
分配遅延中7416%
償還遅延中23249%

出典:クラウドバンク運用実績ページ(日本クラウド証券株式会社)2026年8月28日現在の公式表示。ファンド数・割合はいずれも同ページの表記どおりに転記。数値は随時更新されます。

クラウドバンク

数字はどちらも正しく、どちらも公式の表示です。違うのは分母だけ。運用終了ファンド数7,641件という積み上げが分母に入れば遅延の区分は小さく見え、いま動いているものだけを分母にすれば大きく見える。累計応募金額は333,586,763,671円、償還済金額は313,491,843,269円と桁が並んでいますが、割合を読むときに効くのは桁ではなく分母のほうでした。

数字の次は、練習の話へ

分母を確かめる癖がついたら、次は自分で触ってみる番かもしれません。お金を入れずに何が確かめられるのか、デモ口座で整理した記事があります。

まとめ|分母を聞くのは、疑うことではない

6.35%は、2026年3月末までの1年間に運用終了した税引前のファンドを数えた値でした。数字が悪いという話でも、隠されているという話でもありません。むしろ逆で、注記も2つの分母も公式が自分で並べて出しています。読み手の側が、そこを読むかどうかだけ。

私はいまだに数字に弱くて、%が並ぶとつい大きい小さいで反応します。だから決めています。まず分母を探す。次に集計の期間と除外条件。仕組みの理解はAI、事実確認は一次情報。順番はここでも同じです。

本記事は融資型クラウドファンディングの実績データの読み方に関する一般的な情報提供であり、特定のファンドへの出資を推奨するものではありません。引用した数値・注記は2026年8月28日に筆者が公式ページで確認した執筆時点の公式表示であり、随時更新されます。実績平均利回りは過去の運用結果であって将来の運用成果を保証せず、運用中および償還が遅延しているファンドは集計に含まれていません。利回りや元本は保証されず、融資先の利息支払いや元本返済が遅延した場合は分配・償還も遅延または行われない可能性があります。信託保全は出資元本の返還を保証するものではありません。AIの出力には誤りが含まれることがあり、投資判断をAIに委ねることは推奨しません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本サイトはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を利用する場合があります。